2026/05/12(火)趣味の木工.連休はPCケースをCNCルーターで少量生産した

5月の連休はごく普通の一般家庭にある自作CNCルーターを使って,木製のPCケースを自作してみました.
NCプログラムと材料さえ用意すれば,寸分違わず部品を切り出せます!
というわけで,今回は2台作ってみました!!
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連休前に仮設計した3次元モデル.完成品はちょっと違います.

1 背景

去年の秋頃,長尾製作所オープンフレームver. ATX なる,マザーボードや電源などを箱に入れず,野ざらし状態で固定する板金製品を購入しました.
日本製で非常に質が良くて満足していたのですが,寝室に設置した関係でホコリが被ってしょうがないため箱を作ろうと思った次第です.
製造元の『PCパーツの造形美を楽しむためのATX向けオープンフレーム』という趣旨の真逆になってしまい申し訳ありませんが,運用上ホコリはやはり問題ですのでやむを得ません.

2 主な仕様

色々考えた結果,次の仕様にしました.
  1. 長尾製作所オープンフレームver. ATX に組み付けた部品一式をスッポリ覆える容積のハコ.
  2. スイッチや電源ランプ等は後付け(使い方に応じて自由配置).
  3. 配線は極力隠すフラット設計.USB 等はハブを追加する等で対応.側板は皿ネジ止めとする.
  4. ホコリの侵入なきこと.
    • 吸気口はガスレンジ用の不織布フィルターを使ってホコリをトラップする.
  5. サイドテーブルとしても使用可能であること.
    1. 天板の最小サイズはJEJ アステージST ボックス#25 の外寸に近い450 × 300mm であること*1
    2. 天板までの高さは一般的なテーブルと同じ700 mm にする.
  6. 空冷が十分できる構造.
    1. ケースの上にものを置いても,吸排気に影響がないように,底面から吸気し,上面から(天板の下に空間を設けその部分から)排気する.
    2. 吸気口は格子状構造ではなく,⌀60 の小穴を強度確保した間隔で敷き詰める.
    3. 排気側には120 mm 角のケースファンを3 個取り付けられるようにする.

*1 : ST ボックス#25は家で収納に結構使っているコンテナボックスのため,寸法を揃えておくと都合が良いのです.

3 実物の写真

加工や組み立て,塗装工程の写真は割愛します*2.いきなり塗装直後からです.
ちなみに今回の材料はコメリで購入した厚み24mmの構造用合板(秋田産杉材使用)です.木目の自己主張が強めですが,黒っぽい塗装をすれば,軽減できると思います.
まあ,見た目は思うところがありますが,コスパと強度は中々のものです.

3.1 ファンの取り付け部分

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上部のファン取り付け穴と底部の吸気口.このような形状を楽に作れるのがNCルーターの最大のメリットだと思います.マスキングテープは塗装直後に撮影した都合で貼ってあります.
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使用したファン.サイズ製の高回転寄りのファンです.ファンの下に置いてあるのは天板ですね.金具で固定する仕様です.
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ファンとカバーを取り付けるとこんな感じになります.ほとんど見えないから格好悪くはないと思います.

3.2 オープンフレームの設置

ガスレンジ用の不織布フィルターを底面に敷いて,下駄を履かせてオープンフレームを置きます.固定はしませんでした.
オープンフレームに最初から取り付けられている,LED付きの電源スイッチは配線を抜いて,ベンチマーク用のスイッチ/LEDリボンケーブル 75cm*3に差し替えています.
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仕様通り一式をスッポリ覆えます.配線も長すぎれば箱の中に仕舞えます.右に見えるのがフルタワーケースです.

3.3 フタを閉じて完成

フタを閉じて皿ネジ止めします.要所でR面取りはしていますが,出来上がったものは本当にただの四角い箱です.
これがPCケースだとは思われないことでしょう.
後は,どうしても断面(コバ)の色が白っぽくなってしまい,メリハリが無いようです.
時間の関係で見送りましたが,断面を黒系に塗装すると印象が大きく変わりそうだと思いました.

サイドテーブルにも使えますが,ひとまず机の上に置いてみました.
3.5インチのシャドウベイがないため,フルタワーケースよりも奥行きがありません.
背面からのモニターケーブルの飛び出しもないため,コンパクトに設置できます.
後は,ケースの下の方に『スイッチ/LED』が見えます.使いやすい位置から飛び出させて使用します.
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散らかっていますがご勘弁を…….

*2 : 大変だったところは触れないでおくのが良いでしょう.

*3 : Amazon.co.jpで売っている怪しいノーブランド品なら類似品で400円未満で買えます.

4 実用に耐える

実際に電源投入して,高負荷を掛けてみました.なお,PCの構成は下表のようなものです.
比較的省エネなワークステーションといったところでしょうか.メモリとSSDの高騰前に買えて本当に良かったです.

負荷ですが,ffmpegで4K動画をH.265フォーマットにてエンコードしてみました.GPUは使わずCPUだけでの処理です.
上部の3連のファンは元気よく回り,風も勢いよく吹き出していました.
CPU・マザーボードの極端な温度上昇も認められず,設計した底面吸気・上部排気の構造で問題ないようです.
吸気口にも手をかざすと空気が吸いこまれていくのが感じられました.
表1: PCのスペック
部位の名前 部品名 摘要・備考
CPUIntel Core i-7 14700
メモリDDR4 3200 32GB×2 288Pin 1.2V CL22 SP064GBLFU320F222025年9月: 2.4万円 → 2026年5月: 10万円!ナンダソレ!!!
マザーボードASUS PRIME B760-PLUS D4 PRIME/B760-PLUS/D4
SSDKIOXIA SSD 1TB PCIe Gen4×4 NVMe 2.0d M.2 Type 2280 EXCERIA BASIC SSD-CK1.0N4B/N2026/05/12時点ではまともな値段で売っていない…….
電源ANTEC 850W/80PLUS GOLD/ATX3.1対応/フルモジュラー式 GSK850 ATX3.1
GPUNVIDIA RTX PRO 2000 Blackwell新しい製品のためか,カーネルのアップグレードする度にドライバ入れ直し……
OSDebian 13KDE Plasma
検証後に残りのもう1台を組み立てました.こちらは低発熱なマシンを仕舞うものです.
ちゃんと実用に耐えることはわかったので,木材加工方法の研究(仕上げ処理とか工具の改良とか)を主眼に置いての作業になりました.

今年の連休は有意義に過ごせたように思います.去年は鎖骨骨折で廃人状態だったので五体満足をかみしめました.