2011/09/23(金)KVM(Kernel-based Virtual Machine)を試してみました

Kernel-based Virtual Machine(略してKVM)というのはですね,Linuxカーネルに組み込まれているOSの仮想化の機構です.
仮想化というのは聞き慣れない言葉かもしれませんが,その辺の詳しい説明はリンク先のWikipedia様にお任せします.
要は,ある1台のコンピュータ上で複数のOSを同時に動かすことができるという代物なのです.
KVMは元々インストールしていたOS上でゲストOSという仮想化されたOSを動かします.
ゲストOSのファイルシステムは単なるファイルですので,
コピーすることで設定変更やプログラムの導入実験を気楽に試すことができ,メリットがあります.

KVMは新しめのIntelまたはAMDのCPU(Core 2 Duo(ただしCeleronなどのグレードの低いCPUには実装されていない)以降やAthlon 64 X2 (Rev. F)以降の世代.)の使われているコンピュータで利用可能です.
このKVMはメモリを複数のOSに割り振る必要があるほか,仮想化していない状態に比べてOSの性能が低下するため,
ハイスペックなパソコン(メモリが多く,ある程度速い(そしてマルチコアな)CPU)ほどその機能を快適に使うことができます.
無駄にハイスペックなパソコンを組んでしまった私としては,その有効活用につながるわけです.

知って見るみるKVM 第2回 KVMの導入と基本的な使い方を参考にして,Debian squeezeをインストールしてみました.
下は仮想環境にCDROMを読み込ませ,Debianのインストーラを起動したところです.
Screenshot-2blueowl.png


これが表示されたので,後はすんなりいくかなと思ったのですが,デスクトップ環境のインストールには失敗しました.
原因は不明…….カーネルが古いからでしょうか.それとも,USBのCDドライブを使ったからでしょうか.
Debianはインストーラを選べます.失敗したときのインストーラは次のような画面です.
Screenshot-QEMU-1.png


改めて次のような古典的なインストーラで,デスクトップ環境をインストールせずに試しました.
Screenshot-QEMU.png


結果は成功.一度QEMU(のSDLウィンドウ)を閉じて,
別のオプションでゲストOSを起動すると,無事ログイン画面まで達しました.
といっても,真っ黒な画面に白い文字なんですがね.この画面でインストール完了というのも久しぶりです.
Screenshot-QEMU-3.png


このKVMを使った仮想環境についてですが,今後は
  • squeezeのデスクトップ環境の構築
  • sid(Debianの不安定版)の構築,
を行って,その後に
  • 計算環境テスト
  • ネットワーク構築テスト
  • 各種サーバの設定テスト
などを行っていけたら素晴らしいと思っています.