2010/12/10(金)陸自の戦車定数を減らす……だと?

陸自の戦車定数を減らす……だと?

読売新聞で『戦車200両削減…その予算で南西諸島防衛強化』なる記事がありました.
現在の陸自の戦車定数は600両ですが,それをさらに減らして400両にするつもりらしい.本当ですか?
ちなみに,お隣の韓国は確か戦車2000両,台湾でも1000両は保有しているはず.中国なんか…….
『厳しい財政状況の中、南西諸島の防衛強化に予算や人員、装備を振り向ける狙いがある。』とか,
『戦車を200両減らすことは1000億円以上の歳出削減効果がある』なんて書いてあるんですけど,
戦車を減らして大丈夫なものだろうか.いや,良い訳がない!
島嶼の防衛にそんなにお金が掛かると思えないんですけどどうなのでしょう.
南西諸島防衛強化を口実に防衛費を削りたいのでしょうね…….

戦車という存在は,市街戦においても大火力と強固な防御力を持った動く要塞的な運用法で,物理的にも精神的にも相手側の驚異たり得る訳ですし,
たとえ少数の特殊部隊・ゲリラ部隊が上陸してきたとしても,十分役に立つはずなんですが.
過去には,戦車は歩兵や他の部隊との連携が難しいとされてきましたが,近年はC4Iシステム*1の導入などでその点もかなり改善してきています.
また,ロケットランチャーなどで戦車は破壊できるとされていましたが,
現代戦車の装甲(セラミック系の複合装甲)に対しては成形炸薬弾の威力は小さいですので,
ロケットランチャーで行動不能になるようなダメージを戦車に与えることは難しいです.
少数の敵部隊が侵入する際には制空権を相手が持っている可能性も低いですから,空からの攻撃を気にしなくて良いですしね.

今年陸自は10式戦車を制式化ました.この戦車は2010年現在ではチート級の能力を持っています*2
ですが,配備予定数が少ないことで優位性はほぼ帳消しになります.イクサは数です*3
数的不利を性能で何とかしなければならない自衛隊って大変だ(10式戦車は数が減らされそうなのを見越して必死に開発した感がある).


防衛費はこれ以上減らしてはいけないと思います.
某C国とかは破竹の勢いで軍備増強している訳ですし,日本を守るためだけでも
  • 戦車の定数増
  • 戦闘機の更新・増派
  • 各種人員増員(護衛艦とか必要最低数の人員で動かしているらしいですし)
  • 防衛戦継続のための物資の備蓄(現在は弾薬等の備蓄が非常に少なかったはず)
  • ミサイル防衛
  • 原発の防衛体制充実
(なお,思いついた順です)
とか,無尽蔵に必要なことが浮かんでくるんですけど…….
防衛費は,むしろ倍かそれ以上に増やさないとダメなんじゃ…….

ちなみに,日本の防衛費は2010年度の防衛予算で約4兆6826億円,GDPのおよそ0.9%です*4
なお,この予算規模は,何と子ども手当の来年度予算分と同程度です!子供予算いらなくないですか?
戦車削減して1000億とかいってるけど,よっぽど子ども手当の方が無駄遣いだと思う.
深刻具合から言うと子ども手当を防衛費に回した方がよっぽどましそうですね…….

何で日本の政治家って…….深いため息しか出ません.

*1 : 敵味方の位置やその他の状況をリアルタイムに把握することの出来るシステム的なものです

*2 : 『小型・軽量・高火力・高防御力』をどの国の戦車もよりも高いレベルでで実現している.C4Iも搭載し,上述の市街戦や非正規戦対応の戦車でもあります.

*3 : ヤン・ウェンリーも言ってるし(例がダメ?),それに半世紀ぐらい前の歴史が物語っていますよね.

*4 : 欧米先進国とかは3%くらいなのかな.なお,現在のヨーロッパは軍事的にかなり安定であることに注意する必要があります.東アジアはというと…….

なお,平山は軍事オタクではありません

ちなみに私はミリタリーなオタクではありません.ちょっと知っている程度です(上のテキトーな記事の内容を見てもわかるかもしれませんが).
昔,中学校の頃に新聞の国際面が大好きでそこから「国際政治は軍事もそれなりに知らなければ!」という考えに至って,
そこを起点に少々そういう話に興味を持った程度でして.

当然ですが,荒事は大嫌いです.
戦車を始めとする兵器は,技術的な観点から非常に面白いと思っています.
最新技術の塊であり,これが元になって科学や技術が発展してきたという側面は絶対に否定できませんしね.
それにカッコイイですし.

日本の政治家は,政治家なのに軍事に関する知識がなさ過ぎます.
そういう政治家が少数いるのは別にいいと思いますけど大多数だからなぁ…….

2010/12/09(木)災難続き

災難続き

昨日はARAYAのCXが風に倒れ,フロントフォークに盛大な傷が付き,今日は後輪がパンク.ホントついてないですわ.

フォークのキズはそのままですけど,パンクは直さないと走れないので修理を実行しました.
使っているジャイアントのマウンテンバイクのタイヤに比べて,タイヤの取り付け取り外しが容易でした.
マウンテンバイクの方は,タイヤを外すためのヘラを使ってもキツキツでなかなか外せないんですけど,
CXはすんなりと出来ました.

リム側に穴が空いていたので,リム打ちパンクということでしょうか.
そういえば,昨日走っていたら,間違えて石か何かに高速で乗り上げたんですけど,それが原因なのかも知れません.
パッチをあてて補修し,チューブをタイヤに入れて,リムに入れるのですが,これもかなり楽.
だいたいタイヤをリムにはめた後に,少しヘラを使うだけで完了.
やはり自分で適当に買ってきたタイヤと最初から履いているものではピッタリ具合も違うんですかね.

2010/12/09(木)自作ステッカーの野望

自作ステッカーの野望

過去に,そういえば,家族が「マウンテンバイクを再塗装したいけど,ARAYAのステッカーはないだろうか」,
なんていっていたことを唐突に思い出しました(えと,いってましたよね,確か).

ちょっと気が抜けたので,多分ないだろうなぁ,と思いつつ調べたら本当になくて,実現するとすれば,自作するしかないだろうという結論に.
何とか自作ステッカーを作れないものかと調べたらけっこう簡単そうでした.
インクジェットプリンタ用の透明フィルムが存在するのですね.

方針としては
  1. 素材のイラストやマークを用意する
  2. ステッカー作成シート(ホワイト・クリア)を用意する(探したらこれが一番最初に出てきたので.).
  3. 素材を画像ファイルに変換して,適宜加工する.
  4. 印刷する(ご丁寧にマニュアルもあった.しかもフラッシュを使うとはすごいですね.)
何だかEPSONのインクは耐候性が強いようなので,実家のプリンタを使えば相当高品質なステッカーを作れそうです.多分数年は大して色あせないだろうと思ったり.
というわけで,道は開けたって感じですが,問題はARAYAのロゴ画像をどこで入手するかでした.
ネットでは当然高解像度の画像は公開されていません.

思いついた,というか思い至ったのが,ARAYA CXを買ったときに付いてきた,取説のロゴでした.
そこそこに大きいのでこれをスキャナで取り込んでやれば,きれいな画像データを得られそうです.
ただ,取り込んだだけでは駄目で,GIMPInkscapeを駆使して画像処理をしてやる必要があります.
  • スキャンした直後は色ムラとにじみが目立つ.かつ色は紺色で縁は特に何も加工されていない.
  • 得たい画像は,白色で縁が二重線になっているもの(=CXのロゴはそうなっていた)
という場合は
  1. GIMPで輪郭抽出→輪郭強調→ポスタリゼーションを行って元画像を白と黒の2色まで色数を落とす.
  2. Inkscapeで「パス↓ビットマップをトレース」を実行してラスタ画像をベクトル画像に変換する
  3. 引き続きInkscapeを使って,地道に縁の二重線を追加していく
  4. 色を指定し,PDF化して完成
という様な手順が必要ですよね.その労力を惜しまなければ,自作のステッカーは作成できるということがわかりました.

いつか手を出してみたいものです,フフフ.
その際はARAYAのマークではなく,別のイラストだったり…….

実験失敗

クライオスタット*1を使った実験.光をサンプルに当てていたつもりが,シールドがずれて光が当たっていなかった.
せっかく10K(ケルビン)まで下げたのに,苦労は水の泡です.
クライオスタットのサンプル室は,霜の付着や熱伝導を防ぐために真空状態になっているのですが,
シールドのずれを直すためだけに,真空状態から大気圧へサンプル室の気圧を戻さないといけないわけです.
めんどくさいし,それまでの実験はうまくいっていただけにショックが大きいです.はぁ……….

*1 : 低温恒温装置.低温を保つための容器です.ガス冷凍機で冷やしてマス.

2010/12/04(土)何かが違う

何かが違う

あ,自転車の傷ついたところにゴムを貼りました.ちと格好悪いがしゃーないですね.

デュワーと液体窒素と高温超伝導体とマイスナー効果の写真

昨日書いたことの写真を載せてみます.

いわゆるデュワー瓶です.長年使われずに放置されていたようなんですが,無事液体窒素を汲めました.
DSC00889.JPG


そして,サンプルを液体窒素の中に沈めて冷やします.焼結体で黒いペレット状になっとります.
この写真ではきれいに液体窒素の液面が見えますね.
DSC00891.JPG


サンプルと磁石.サンプルを置いておいた角灰に液体窒素がたまっとる….
磁石はたぶんネオジムでしょう.
DSC00895.JPG


この状態で磁石にサンプルを立てかけてみると,磁石に触れずに半浮き状態になります.
本当は,大きな超伝導体の上に小さな磁石を置いて,
磁石を浮かせたいところでしたが,用意できたのが逆だったのでこんな状態に.
DSC00904.JPG


あ,ちなみその場のノリで磁石も冷やしてます.
DSC00907.JPG


で,温度が高くなる(T>90K?)と,下の写真のように普通に磁石にもたれます.
DSC00906.JPG


いやはや不思議ですねぇ(論理的な説明がそれなりにされているとはいえ).
こういうお遊びをすると,室温超伝導材料の研究とかをしてしまいたくなってしまいますよ.何にせよ貴重な体験でした.
ちゃんちゃん.