Raleigh RFT Radford Traditional 2022-2023(ツーリング仕様)
2023/08/07
ARAYA CX 2010が老朽化してきたことで,普段使いには少し適さない気がしてきたからだ*1.
ARAYA CXの代替になりうるスペックと入手性からRaleigh RFTという自転車になった.
ブランド名は別だが,結局企画設計販売しているのはアラヤなので,何と3代連続でアラヤの自転車になった.
メモとレビュー(スタンドやキャリアの取り付け状態や使い勝手等)を兼ねて,記事としてまとめておこうと思う.
当面は内容を更新していく予定.



↓キャリアとセンタースタンドをつけた初期状態に近い写真.



1 要求仕様
ARAYA CXの代替であることと,CXとARAYA DIAの2台を使ってきて感じたことがフィードバックされた仕様を設定した.輪行はあまり考慮せず,自動車へ積載や,撮影機材等の運搬能力を重視した,軽めのツーリング仕様という感じである.
- フレームとフォークがクロモリのクロスバイクである
(耐久性・強度と見た目.キャリアとスタンドを取り付けるには必須.) - ドロップハンドルではないこと
(私のように比較的近距離かつ街中を頻繁に走るスタイルだとドロップハンドルのポジションはほぼ使わないことが分かった.) - 3×24以上の変速段を持つ
(疲れてきたときの坂道等,軽いギアが欲しいときが一定の割合で発生する.コンパクトクランクは心もとない.) - キャリアが前後に取り付け可能
(カメラや着替え,水・食料,さらにはお土産など荷物がそれなりにあるため) - センタースタンドが取り付け可能
(自立し,しかも駐輪時に傾斜しないセンタースタンドは観光に必須装備) - ディスクブレーキ搭載
(興味本位から.キャリパーは効きが悪い.Vブレーキは効きすぎ傾向.
あとこれらリムブレーキはどうしてもゴムで汚れるので,ディスクブレーキはどうかが気になった.) - ダブルレバー取り付け台座がある
(フロントバッグの取り付けや,メンテナンス性の観点からダブルレバーへ変速レバーを変える可能性があるため) - 700x28C程度のタイヤサイズ
(これよりも細いと路面に気を遣う.これよりも太いと機動性が落ちる) - 泥除け不要
(雨の日や雨上がりはほぼ乗らないことがわかった.それに車に積むときに泥除けは大変邪魔)
2 購入と納品
ネット通販(QBEIという京都の自転車屋さん)で購入した*2.7月26日に山陽自動車運送(近物レックス)にて自宅に届き,現物の確認と部品の追加を7月30日から行った.
3 RFTのスペック
メーカーのサイトに記載してある内容を控えておく.あわせて,追加した部品も“ADDITIONAL PARTS”として記載しておく.部位 | 項目 | 摘要 | 備考 |
---|---|---|---|
FRAME | Size | 440, 480, 520mm | |
Color | Canyon RED, Agate BLUE, Club GREEN | ||
Frame | CR-MO MID-SIZE D.B. TIG WELDING | ||
Fork | CR-MO W/ INVESTMENT-CAST CROWN | ||
Head set | FSA INTELLASET 1-1/8" AHEAD, W/ 5, 10, 10, 15mm SPACERS | ||
BB set | FSA BB-7420 68-113mm | ||
部位 | 項目 | 摘要 | 備考 |
COCKPIT | Handle Bar | KALLOY HB-FB11 FLAT BAR 540mm 31.8mm | |
Handle Stem | KALLOY AS-007N -7° FLIP-FLOP 80mm(440), 100mm(480, 520) | ||
Bar-tape/Grips | DOUBLE-DENSITY W/ ALLOY RINGS | ||
部位 | 項目 | 摘要 | 備考 |
DRIVE TRAIN | Shifter | SHIMANO ST-EF505 8 x 3 SPEED EZ-FIRE HYDRAURIC DISC BRAKE LEVER | |
Rear Derailleur | SHIMANO ALTUS RD-M310 | ||
Front Derailleur | SHIMANO ALTUS FD-M313 28.6mm | ||
Chainwheel | PROWHEEL 48-38-28T W/ GEAR GUARD 170mm | ||
Gear | SHIMANO CS-HG31 11-32T, 8 SPEED | ||
Chain | SHIMANO CN-HG40 | ||
Pedals | MARWI SP-600 BLACK | ||
部位 | 項目 | 摘要 | 備考 |
BRAKE | Brakes | SHIMANO BR-MT200 HYDRAURIC DISC BRAKE W/SM-RT10S DISC ROTOR | |
Levers | SHIMANO ST-EF505 | ||
部位 | 項目 | 摘要 | 備考 |
WHEELS | Hubs | SHIMANO HB-TX505 / FH-TX505 32H 100 x 135mm | |
Spokes | 14G STAINLESS | ||
Rims | SHINING RIMS A-M6 700C BLACK 32H | ||
Tires | CST PLATINUM PERFORMANCE 700x28C F/V | ||
部位 | 項目 | 摘要 | 備考 |
SEAT | Saddle | VELO CLASSIC SPORT RALEIGH SPEC | |
Seat Pillar | KALLOY SP-265 27.2 x 300mm | ||
Weight | 12.9kg(440mm) | ||
部位 | 項目 | 摘要 | 備考 |
ADDITIONAL PARTS | Front Carrier | NITTO Front M-18 | 別の自転車についていたものを転用.日本製. |
Rear Carrier | MINOURA MT-8000D シャインシルバー(粉体塗装) | 1.2kg.日本製 | |
Center Stand | ESGE ダブルレッグ・スタンド シルバー | スイス製. | |
Headlight | GENTOS LED バイクライト XB-450B | 単3電池2本.中国製.補助灯の予定. | |
Handle Bar | GRK ブルホーンハンドルバー シルバー HS-RA-02-SV*3 | 台湾製. | |
Handle Bar Tape | GIZA PRODUCTS レザーバーテープ ブラウン HBT01501 | 中国製.他の自転車にも使っているため統一.無難な出来の一品. | |
Handle Stem | NITTO UI-75突き出し100㎜(UI-75EX E100×82° Pφ28.6×B25.4) | 日本製. | |
GPS Unit | Garmin eTrex 22x およびハンドルバーマウントブラケット 1102300 | 自転車ツーリング必須装備*4. |
4 追加部品について
4.1 フロントキャリア NITTO Front M-18

5年近く前に購入したものだが,要所にシリコンオイルを塗っていたため,取り付け部品のゴムを含め劣化はないようだった.
そのままだとフロントバッグが垂れ下がってきてしまうため,支持用の板を追加で取り付け予定*5.
4.2 リアキャリア MINOURA MT-8000D
本当はNITTO CampeeCross27 REAR SET(ARAYA CXに取り付けているもの)を取り付けたかったのだが,供給不足と価格高騰(10年近く前に買ったときは2万円,今は3万円),さらにディスクブレーキ車へ装着可能か不明のため,断念した*6.
代わりに選択したのがミノウラのMT-8000Dというキャリア.
ディスクブレーキ車対応を謳っていたことと,流通量が少ないながらもシルバーが販売されていたのが決め手.
スルーアクスルのディスクブレーキ車にも対応するために非常に幅が広い.
この関係でフレームのキャリア取り付け用のネジ穴へ固定するのに,アルミパイプのスペーサーを使っている.
重量物を積載した場合や固定ネジが緩んでしまった場合に,
ネジやネジ穴に過大な負荷がかかって,折損・破損事故が起こりやすいと思われるので注意すべきである.



4.3 センタースタンド ESGE ダブルレッグ・スタンド
このRaleigh RFTは“センタースタンド取り付け台座”が標準装備されている.現在製造販売されているオーソドックスなダイヤモンド型フレームのクロモリクロスバイクで,この台座があるものは少ないだろう*7.
しかも,この台座はエスゲ ダブルレッグ・スタンドがピッタリ取り付けられる*8!
ただし台座が奥まっているので,普通の六角ボルトを使用するのは難しい.
私はたまたま持っていたM10×25の低頭六角穴付きボルト+M10スプリングワッシャ×1,M10平ワッシャ×2を使って固定した.
その際,フレームの塗膜保護のために厚み2~3㎜のゴムシートに穴あけ・カットを施してフレームとスタンドの間に挟んでいる.
脚の長さは自分で切断して調整する*9.
このRFTの480㎜フレームは,脚についている目盛りで260~270付近で切断すると丁度よかった.260でピッタリかやや短いと感じる長さだった.

4.4 前照灯 GENTOS LED バイクライト XB-450
懐中電灯に定評のあるGENTOS製.安さと単3電池駆動である点から購入.ひとまず取り付けておくが,この手のライトの宿命でハンドルにいくら強く固定してもすぐズレるので使いづらい.
フロントバッグを取り付けるとバッグに阻まれ前を照らせなくなる等の問題がある.なるべく早く代わりの前照灯を取り付けたい.
4.5 ブルホーンバーハンドル HS-RA-02およびステム NITTO UI-75
ブルホーンバーは運転時の手の配置の自由度が高くなるので必須.ただ,この自転車のハンドル・ステムはクランプ径が31.8mmなのに対し,
ブルホーンバーは(探した限りでは)クランプ径25.4mmのものしか存在しないため,ステムから交換することになった.
何となく日東製のステムを買ってみたが地味に高い.

ステムのパッケージ内容(ネットで中身を見かけなかったので参考掲載.もちろんステムは袋に入って梱包されている.).


バーエンドキャップ.ハンドルの付属品よりもしっかり固定できるので良い.

取り付け後の写真.脱着を工夫することで,ディスクブレーキのチューブやシフターケーブルは取り外さずにハンドルは交換できた.
ブルホーンバーの写真は,散らかった室内が写りこんでしまったので,後日掲載予定.
5 ディスクブレーキについて
今回,初めてディスクブレーキ仕様の自転車を使うので,注意点をメモ.
この赤い部品は,タイヤを外した際に,ディスクブレーキのパッドの間に挟むスペーサーである.
RFTのものは“BR-M315 PAD SPACER ”,品番“Y8PE03000”で単価は税抜き150円くらい*10.
これを挟まないまま,誤ってブレーキレバーを思いきり引いてしまうと,パッドが戻らなくなってしまうらしい.
ちなみに,自転車購入時に付属していたものが右端の部品で,中央と左が“Y8PE03000”.



こんな感じでパッドスペーサーをかませる.1枚目が付属品で2枚目が“Y8PE03000”.
明らかに“Y8PE03000”がピッタリしているので,何らかの原因で別のスペーサーが紛れ込んでしまったのだろうか.
あるいは付属品はコストダウンか何かでちょっと形が違うのかもしれない.何れにせよ大きな問題はない.
3枚目の位置からはどちらのスペーサーも同じ.両方とも役目は果たしている.

こちらはスペーサーを入れていない状態.ピンの部分にスペーサーがカチッとはまるので脱落しない.



ディスクブレーキのローター部分は油分が付くとダメなので,カバーで保護する.
6 運用実績と所感
6.1 近所(栃木県内宇都宮周辺)
- 軽快で郊外・街乗りには十分な性能.MTB系のコンポ・変速レバーはサクサク変速できる.
- 車体は重いが*11,宇都宮の市街地周辺であれば坂道をなるべく避けるルートは選べるので気にならない.
ギアを軽めにすれば,多少の坂であれば全く問題なく乗り切れる. - トップスピードはARAYA DIA 2016よりも出ない.ARAYA CX 2010改3よりは出る(ギア比の都合で).重いので加速が大変.
平地無風で40km/h出すのは多分難しい.35km/hはギリギリ可能か.エンジン(乗る人)のパワーに依存. - ブルホーンバーに換装したのでハンドルポジションもある程度は選べるし,操作性も高い*12.
- ディスクブレーキはかなり効くが,街乗りだと恩恵はない.
- ハデハデなカラーリングではないので,環境に溶け込める(と思う).
- センタースタンドが便利.ただしハンドルが動かないように工夫をしないと転倒する.
6.2 しまなみ海道(尾道→今治約70km)

この構成で,しまなみ海道を走ってみた*13.走破できたが問題点もあった.
- 荷物(カメラ,水・食料,お土産(伯方の塩とか),工具その他)を
リュックを使わずにフロントバッグ・サイドバッグで持ち運ぶことができた.
汗をかきやすい身としては,リュック・バックパックは身につけたくないので大事なことである. - 交通の妨げにならない限り,どんな場所でも気兼ねなくセンタースタンドで駐輪できた.カメラで写真を撮る際に重要.
- ハンドルポジションの自由度がロングライドで効いた.やはり同じ姿勢で漕いでいると手が疲れてしまうため,いろいろな位置を持てるとよい.
- 本体・装備の総重量は恐らく20kg強に.坂道が辛かった.
下の看板のように,しまなみ海道のサイクリングロードはアップダウンがかなりある.
橋は高さのある構造物なので,渡るたびに上って下るを繰り返す.加えて峠が複数ある.
このようなコースでは,このRFTでは不利である*14. - どんなに重くてスピードが出なくても,MTB系のコンポかつギアがワイドレンジなので足をつくことなく進むことはできる.
- 下り坂でディスクブレーキは十分に性能を発揮した.
- バーエンドミラーは後方確認のために必須装備だと実感した.
荷物を積んでいると特にバランスを崩しやすいので後ろを向くことはできない. - しまなみ海道までは,自転車をセレナへ積載したが,リアキャリアMT-8000Dの幅があり過ぎて積みづらかった.

この看板の黄色いラインをおおよそなぞって,尾道から今治へ向かった.