ARAYA DIA 2016 センタースタンド装備型
2016/11/26
2016年秋,新たにもう一台自転車を導入しました.
それが,ARAYA DIA Diagonale 2016モデルというものです.

1 要求仕様
欲しい自転車は次のようなものでした.- 輪行が容易
- ドロヨケが装備されている(雨上がりのようなコンディションで普段着走行可能)
- お財布に優しい
- キャリアも前後に取り付けられる
- 速力は重視しない
- 乗り心地が良い(普段着でお尻や腰が痛くならないこと)
- 危険箇所等における「自転車通行可」の歩道を問題なく走行できる(→太めのタイヤと強度のあるフレーム)
- センタースタンドが装備でき,どこでも駐輪できる
- 強力な前照灯と尾灯により,暗い道でも安全に走行できる.
- 旅先で目立たない『地味』な自転車
荷物がそこまで多くない場合の普段使い用自転車,を一応想定しています.
2 実際の仕様
2.1 購入直後
主にネット上で情報収集をした結果,上の仕様に最も近いものがこのARAYA DIAでした.この自転車の特徴は納入された状態で次のようなものでした.
- フレームにチェーンフックあり(輪行便利仕様)
- ドロヨケ装備で,後輪ドロヨケは分割式(輪行便利仕様)
- ドロップハンドル(マースバーという形状らしい)
- 変速操作がダブルレバー式
- コンポーネントはシマノClarisフルスペック(すごく安い)
- 太いリムに700x28cの太めのタイヤ
- フレーム・フォークは鉄系で重量級(カタログ値で驚きの13.4kg!クロモリフレーム・ハイテンフォーク!!)
- 前後にオプションのキャリアを取り付け済み

この写真は購入直後に撮ったもの.
追加部品も取り付けているものがあるが,初期状態に近い.
2.2 部品追加後
購入後,必要なものを追加で取り付けて,不足した要求仕様を全て満たしました.大まかな追加部品等を下に.
- サドルをおしりに優しい『ビーム スプリングコンフォートサドル ブラウン』へ換装
- センタースタンドとして『ESGE ダブルレッグスタンド シルバー』を採用.アルミニウム合金製の固定用部品を自作して取り付け
- フロントキャリアへランプホルダー『NITTO(日東) ランプホルダー 3』を取り付け
- USB給電式のLEDライトをフロントキャリア(ランプホルダー 3)へ取り付け
- 自動点灯式のLEDライトをフロントキャリアへ取り付け(必要に応じ着脱する)
- 尾灯・反射材として『ブリヂストンSLR100BF』(CAT EYEがOEM供給しているらしい)を取り付け
- 携帯ポンプ『パナレーサーBMP-N21AGF2-S』を取り付け
- 『NITTO(日東) ランプホルダー 2-70 シルバー』をハンドルバーへ取り付け(フロントバッグ取り付け用)
- サイクルコンピュータ『CAT EYE CC-MC100W』をランプホルダー 2-70 シルバーへ取り付け
3 ESGE ダブルレッグスタンドの取り付け
ARAYA DIA 2016のフレームはクロモリロードの形状に近く,センタースタンドを取り付ける位置が狭いので,取り付けに向いていません.しかし,センタースタンドは今回の自転車導入に必須の項目だったため,根性で取り付けることにしました.
少々博打でしたが,「金具を自分で作れば何とかなりそう」と思って購入に踏み切りました.
金具を作って試行錯誤を繰り返した結果,フレームにはキズが入り,塗装も一部はげました(そうなったところは塗装し直しました).
苦労したので,今後同じようなフレーム形状の自転車にセンタースタンドを取り付ける人のために,いろいろまとめておこうと思います.

フレームのボトムブラケットの後ろ,後輪の前付近を下から見た写真.
ESGE ダブルレッグスタンドは,この写真の中央やや左付近にある,
フレームの台形の穴にM10のボルトを通し,金具を使いフレームを挟み込むように固定する.
ダブルレッグスタンドに付属する金具はどれも寸法が合わずDIAには取り付けられない*1.
3.1 金具の自作
フレームを採寸し,下に示すような金具を作りました.図面も参考ですが載せておきます.リンク先のPDFは元の図面です.本職ではないので書き方が間違っているところがあるかもしれませんので注意ください.

材質は広く出回っているアルミニウム合金であるA5052.加工は卓上フライス盤以上の機械が必要.
Araya_DIA_2016_ESGE_Parts_001www01.pdf

仕上げは粗いが,見える場所でもないし,凝視する人もいないと思うので問題ない.

この形状で,フレームやシフトケーブルと干渉することなく取り付けられるようになった.
3.2 取り付け
何度も試して一番良い方法を探しました.
1度目の完成形.六角ボルトM10×50を使って固定.場所が狭いためスパナが良く入らずラジオペンチも併用.
最初はゴムを挟むなどして,フレームの保護を試みたが,そうするとグラツキが生じ改善しないため一切保護部品は使わず直接固定になった.
ここで何度も着脱を繰り返したため,キズがついた…….
しかも,実際に使っている際に締め付け不足で位置がずれてしまった(その結果がこの節の1枚目のフレームのキズ).

2度目の完成形.締め付け不足を改善するために,六角ボルトから六角穴付ボタンボルト(M10×45)へ変更した.
締め付けには,通常の六角レンチではなく,ショートヘッド六角棒レンチを使う必要がある.
フレームと部品は脱脂洗浄し,組み付け直前にグレーの自動車キズ補修用塗料をフレームと部品の両方へ厚く塗ってから取り付け作業を実施.
これにより塗装のはがれた箇所は保護されるはずである.
この2度目の方法(と下の取り付ける前の準備)が私が作業した範囲ではおすすめである.
3.3 取り付ける前に

この写真のように,現物合わせで自作金具とフレームが接する部分の中心に線を引いておく.
この線を中心として,固定作業時に金具がずれないように棒ヤスリで1~2mm程度の深さの溝を作ってから固定作業に移る.
ダブルレッグスタンド本体とフレームが接する部分も必要に応じて溝を作っておく*2.
写真は2度目の作業の途中のもので,1度目に浅く作った溝がすでに存在する(深さ0.5mmくらい?).
この浅さでは効果が小さかったので,もっと深く溝を作るべきだと考えた.
溝を深くするため,六角穴付ボタンボルトも1度目と同じM10×50ではなく,M10×45とした.
自作金具を使った場合,M10×50ではネジの長さが長すぎる傾向があったためである.

取り付け完了後に自転車をひっくり返したまま撮影.
スタンド本体も自作金具も実用上問題ない程度で位置が決まった.
4 スペックまとめ
数年も経てば,公式サイトの製品紹介ページもなくなってどういう部品が使われているかが分からなくなってしまうでしょう.備忘録として,ARAYA DIA 2016のスペックを表にまとめておこうと思います.
基本的に,公式ページにある情報の控えです.
4.1 自転車本体
部位 | 使用部品(のグレード,種類など) | 補足 |
---|---|---|
フレームサイズ | 500mm | 乗っている人は身長165cm,股下70cm. |
基本重量 | 12.8kg(13.4kg) | 括弧の外側,内側の数値がそれぞれどのような状態を示すのか記載はない |
フレーム | クロモリ MIDサイズ シートアウターバテッド TIG溶接フレーム | クロモリフレーム.チェーンフック付. |
フォーク | ハイテン 1”スレッド 50mmオフセット ユニクラウン | ハイテンフォーク |
ヘッドセット | CH-907JN Micro-Adjust 1" Threaded w/Cartridge-bearings | |
BBセット | SHIMANO BB-ES25 68-113mm オクタリンク | |
ハンドルバー | KALLOY HB-CM21 Maes-Drop 400mm φ26.0mm | マースバー |
ハンドルステム | KALLOY KL 80mm(500)/100mm(540) | |
グリップ | レザータイプ ポリウレタン | 茶色系のバーテープ |
ブレーキ | SHIMANO BR-R451 Road-brake 57size | |
ブレーキレバー | TEKTRO RL340 /TEKTRO RL570 (Top-mount Levers) | |
ギアクランク | SHIMANO CLARIS 50-34T ギヤガード付 ×165mm | |
チェーン | SHIMANO CN-HG40 | |
カセット | SHIMANO CS-HG31-8 11-32T 8speed | |
ペダル | XERAMA SP-910S アルミシルバーボディ/ブラックケージ | |
リアメカ | SHIMANO CLARIS SS | |
フロントメカ | SHIMANO CLARIS φ28.6mm | |
シフトレバー | SHIMANO SL-R400 8speed×Friction Down Tube Shifter | |
ハブ | SHIMANO CLARIS 32H 100×130 | |
スポーク | 14G Stainless | |
リム | ARAYA TX-733 700C Silver 32H | アラヤの自転車ですからねぇ……. |
タイヤ | SCHWALBE 700×28C DELTA CRUISER F/V | |
サドル(初期) | VELO Double-density Trekking | ARAYAの刻印付 |
(交換品) | ビーム スプリングコンフォートサドル ブラウン | おしりに優しい |
シートポスト | KALLOY SP-243 27.2×300 | ポリッシュシルバー ARAYAレーザー刻印 |
フェンダー | 36mm width Aluminum Alloy, Bright finish, w/Stainless stay | |
フロントキャリア | CA-EXS | 純正オプションでたぶん選択肢なし.ARAYA EXSと同じもの. |
リアバッグサポーター | CA-RRA | 純正オプションでたぶん選択肢なし.ARAYA EXSと同じもの. |
4.2 装備品
その他 | 使用部品 | 補足 |
---|---|---|
リフレクター | 付属で型番不明 | 前後のスポークに |
ベル | 付属で型番不明 | |
スタンド | ESGE ダブルレッグスタンド | 耐荷重25kg.金具を自作して取り付け |
携帯ポンプ | パナレーサーBMP-N21AGF2-S | 圧力計付の携帯足踏みポンプ |
サイクルコンピュータ | CATEYE CC-MC100W (マイクロワイヤレス) | バックライト付 |
前照灯 | ノーブランド USB給電超高輝度LEDランプ | CREE XML-T6相当品採用.眩惑対策済み. |
Panasonic SKL083S | 市街地・トンネル用.暗所自動点灯. | |
Dominator 105 DC 105 | 160ルーメン.非常用. | |
ライトブラケット | Bikeguy バイクライトホルダー | 着脱易.非常用. |
テールランプ | ブリヂストンSLR100BF→キャットアイTL-AU165-BS | 点滅のみだが反射材付なので法令に適合 |
フロントバッグ | オストリッチ 幌布フロントバッグ F-516 生成 | |
サドルバッグ | オストリッチ サドルバッグ SP-731 生成 | |
カギ | ワイヤー錠 |
5 1年後のARAYA DIA
一年後の感想,その後手を加えた部分を記事にしました.必要に応じてご覧ください.